2018_03
04
(Sun)10:30

知る力と見抜く力

出エジプト記2章1~10節  フィリピの信徒への手紙1章9~11節
ケルン・ボン日本語キリスト教会牧師  佐々木良子師


 出エジプト記1章~2章には、モーセの誕生にまつわることが記されています。イスラエルの民にとって、その時代は暗黒で最悪な時でした。

 本日の聖書箇所はそれぞれの独自性をもった多くの人々が登場しています。残虐なエジプト王・ファラオ、神を畏れる尊い信仰をもったヘブライ人の助産婦、憐れみの情をもったファラオの王女、信仰と賢さをもったモーセの母と姉のミリアム・・・等。これらの人物が誰一人欠けても、のちの指導者モーセという人物はあり得なかったことでした。

 イスラエルの民の人口はエジプトに移住して400年ほど経った頃には驚異的に膨れ上がったのでエジプト人は恐れ、苛酷な労働を課して人口増加を食い止めようとしましたが益々増え続けました。そこでファラオは「生まれた男の子は、一人残らずナイル川にほうりこめ・・・」(1:22)と、男児殺害の恐ろしい命令を出したのです。しかし、そこで神は先ほど挙げた人物を豊かに用いてモーセは王女の子としてエジプトの教育を受け、成人した時はあくまでも神に仕えるヘブライ人の指導者へと成長していきました。

 このようにモーセが指導者となっていく過程に、神は敢えて最悪の時代を用い、その壮大なご計画の実現と共に神ご自身がどのような方であるかということを示されました。そのことはモーセがイスラエルの民を率いる指導者になってから知ることとなります。エジプトの王女のもとで育てられること自体が奇跡ですが、更にモーセ自身が信仰を受け継いだヘブライ人として成人したことは常識的に考えられないことです。しかし、そのあり得ないことをされるのが神です。

 聖書に記されている出来事は常に時間差で後になって「なるほど!」と驚きと感動をもって神の御業を仰ぎ見ることになります。私たちが考えることができない程に味わい深く豊かですから神なのです。ですから私たちはそのような神にお委ねしてワクワクしがら次のステップへと踏み出していけるのです。そこに私たちの希望があります。

 モーセ誕生にまつわる出来事に思いを馳せる時、私たちは神に焦点を合わせていくならば、本当に大切なことを知る力と見抜く力が与えられて、神の御業に目覚めていくことを悟ります。このような仕方で神の深い神秘を知っていき信仰生活が前進していくものです。

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